教育と人工知能への新たな視点

『自然知能』が教える人間の
本質と知能の無限の可能性

外山滋比古氏の著書『自然知能』は、人間の本質的な知能について深い洞察を与えてくれる一冊です。特に印象的なのは、聴覚の重要性についての指摘です。外山氏は、生まれる前から働き始める聴覚が人間の成長に大きな役割を果たすことを見事に描き出しています。

『三つ子の魂百まで』という言葉の真意を探究し、3歳から4歳の間に自然知能が実現することを示すことで、教育に対する新たな視点を提供しています。教育とは外から知識を与えるものではなく、内なる才能を引き出すものだという考え方は、現代の教育論に一石を投じるものです。

また、人工知能の限界についても鋭い指摘があります。自然に任せた生き方こそが、人間らしい喜怒哀楽を生み出すと述べる外山氏の主張は、知識至上主義に偏りがちな現代社会への警鐘となっています。

本書には、具体的なエピソードが数多く盛り込まれており、読者を飽きさせません。

東京と大阪の歩くテンポの速さの違いや、大雨の前にヘビが木に登るという民間伝承など、興味深い逸話が満載です。

P138ぺージにある「人前ではだまっていなさい」というタイトルのイギリスのことわざの話は私は特に興味深い話でした。

さらに、「笑うことは人間の特技」という考察は非常にユニークであり、知能と笑いの関係について説得力のある描写がなされています。また、田中隆尚氏の記憶力に関するエピソードは、人間の知能が秘める無限の可能性を感じさせてくれます。

『自然知能』は、単なる知識の詰め込みではなく、人間本来の知能を引き出すことの大切さを教えてくれる書籍です。教育や知能に関心がある方はもちろん、人間の本質を探求したいすべての人にとって、一読の価値がある作品と言えるでしょう。ぜひ、外山滋比古氏の深遠な洞察を通して、自然知能の奥深さを体感してみてください。

最後までお読み頂きありがとうございました。
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