身体の「量」と「質」の成長を見極め、適切な指導を

ジュニアアスリートの成長を正しく理解し
適切な指導を行うために

ジュニアアスリートの指導に携わる方々にとって、身体の成長について正しく理解することは非常に重要です。一般的に「身体の成長」と簡単にまとめられがちですが、実は成長は「発育」「発達」の2つに分けられます。

発育は身体の大きさ(量)を表し、発達は身体の機能(質)を表します。つまり、身体が大きいジュニアは「発育がいい」と言え、身体の大きさは並でも、洗練された動きや優れた体力を持つジュニアは「発達がいい」と言えるのです。この2つは同じではありません。

スキャモンの発育曲線は、日本でも有名で、多くの方がご存知かもしれません。

この曲線は、横軸に年齢、縦軸に発育の割合を示しており、「ゴールデンエイジ理論」の根拠の一つとなっています。ゴールデンエイジ理論とは、9〜12歳前後は神経系が発達しやすいので、この時期にスポーツをすれば上達しやすいという考え方です。

しかし、スキャモンの曲線は「発育」の曲線であり、身体の大きさ(量)を表しているに過ぎません。身体の機能(質)の発達とは別の話なのです。そのため、近年ではゴールデンエイジ理論に否定的な見方もあります。

とはいえ、神経系は量も質も13歳ごろまでに80%が出来上がると言われており、現場での経験からも、この時期が最も上達しやすいと感じています。

まとめると、以下の3点が重要です。

①スキャモンの曲線は発育(量)の話なので、そのまま機械的にトレーニングに適用してはいけない
②ゴールデンエイジ理論の考え方自体は間違っていない。
大切なのは選手一人一人の成長を見極めてトレーニングを進めること。
③成長を見極めて対応するには、「個別対応」が必要。

最後までお読み頂きありがとうございました。
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