ブルーナーの『人間の教育』に学ぶ、学びの本質

ブルーナーの教育革命
直観、発達、発見の重要性

アメリカの著名な教育心理学者、ジェローム・ブルーナーの著書『人間の教育』は、教育に対する革新的な考え方が詰まった一冊です。半世紀以上を経た今も色褪せることなく、現代の教育現場に多くの示唆を与え続けています。

直観と分析のバランス

ブルーナーは、学習における直観的思考と分析的思考のバランスの重要性を説いています。直観的思考で問題の本質を捉えた後、分析的思考で論理的に考えを深めていくプロセスが大切だと述べています。

例えば、読解問題に取り組む際、まず文章全体を直感的に理解し、次に詳細な分析を行う過程が重要です。このように、直感と分析の往復を通じて、より深い理解を得ることができます。

発達に応じた学び・らせん型カリキュラム

ブルーナーは、子どもの認知発達に合わせて学習内容を順次的に深めていく「らせん型カリキュラム」を提唱しました。同じテーマを繰り返し学ぶことで、子どもの理解は単なる暗記ではなく、確かな学びへと深まります。

具体的には、数学の授業では、小学校では簡単な計算や図形を通じて基本的な数の概念を学び、中学校では代数や幾何の基礎を理解し、高校ではさらに高度な微積分や統計を学ぶといった具合です。このように、発達段階に応じて学習内容を設計することが重要なのです。

発見する喜び・学びを育む環境

ブルーナーは、子どもが主体的に学ぶためには、知的な興奮や発見の喜びを味わえる環境が不可欠だと考えました。彼は、このような環境が子どもの好奇心や探究心を育むと主張し、「発見学習」を提唱しました。

例えば、社会科の授業で地域の歴史を学ぶ際、教師が一方的に説明するのではなく、子どもたち自身が地域の史跡を訪れたり、地元の人々にインタビューしたりすることが重要です。このような体験を通じて、子どもたちは自らの手で学びを探求し、その過程で得られる発見の喜びが、さらなる学びの原動力となるのです。

ただし、ブルーナーは短期的な興味喚起と長期的な知的関心の育成を区別し、後者の重要性を強調しています。「楽しさ」を引き付ける手段として用いる場合、十分に計画されたカリキュラムが必要であると注意を促しています。

まとめ

『人間の教育』は、ブルーナーの教育理論が凝縮された一冊であり、彼のアイデアは現代の教育にも多大な影響を与え続けています。直観と分析のバランス、発達に応じた学習内容の設計、内発的動機づけを育む環境づくりといった彼の洞察は、学びの本質を見つめ直すきっかけを与えてくれます。

最後までお読み頂きありがとうございました。
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